被相続人が死亡した場合、被相続人が有していた財産は各相続人のもとに当然に行き渡るわけではありません。
相続開始後、どの相続人がどの財産を取得するかについては「遺産分割協議」を行うことによって決定する必要があります。
そして、遺産分割協議の結果を記載した書面を「遺産分割協議書」といい、相続の場面においては、この遺産分割協議書は非常に重要な役割を果たすことになります。
本記事では、遺産分割協議書作成の重要性、遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼した場合のメリットについて解説していきます。

遺産分割協議書の重要性

被相続人が死亡した時点で、相続人が生前に有していた財産は各相続人の共有状態に置かれることになります。
相続財産が共有状態にある場合、各相続人は相続財産を自由に処分することができないため、遺産分割協議を行うことにより、相続財産の帰属を決定する必要があります。
そして遺産分割協議の効力は、誰がどの財産を取得するかについて相続人間の合意が成立した段階で生じますが、口頭による合意のみでは、合意の内容を第三者に示すことができません。
そこで、「遺産分割協議書」という形式によって合意の内容を明らかにする必要があり、各種手続きを行うにあたり、遺産分割協議書の提出が必要となる場面は多数存在します。

例えば、預金の相続人が遺産分割協議によって決まった場合において、金融機関における相続手続きを行うためには遺産分割協議書の提出が必要となるほか、不動産の相続登記や相続税の申告の場面において具体的相続分を証明するためには遺産分割協議書の添付が必要となります。

遺産分割協議書の記載内容

遺産分割協議書の雛形については、法務省のホームページ等でも公開されていますが、①被相続人の最後の住所地、死亡日、氏名、②相続人間で合意された分割方法や割合について、③分割する相続財産の具体的な内容、④相続人全員の住所、氏名については最低限記載する必要があります。
また、相続人全員による押印が必要な点にも注意が必要です。

遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼するメリット

遺産分割協議書の作成はご自身で行うことも可能ですが、作成を司法書士に依頼することには以下のようなメリットが存在します。
なお、遺産分割の方法や内容について、相続人間で合意が成立している場合には、遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼することが可能ですが、そもそも遺産分割の方法や内容について相続人間に争いが発生している場合、紛争解決のための交渉や、法的手続きについては、弁護士に依頼する必要があることに注意が必要です。

①有効性が担保される
司法書士は、相続に関して専門的な知識を有しているため、遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼することにより、協議書の法的な有効性を担保することができます。

②登記手続きまでワンストップで依頼できる
不動産が遺産分割の対象となっている場合、遺産分割が完了した後、相続を原因とする登記の変更手続きを行う必要があります。
司法書士は登記の専門家ですので、遺産分割協議書作成の段階から司法書士に依頼することにより、遺産分割後の登記申請まで、ワンストップのサポートを受けることが可能となります。

遺産分割協議書作成に関することは相澤司法書士事務所にご相談ください

相澤司法書士事務所では、遺産分割協議書作成に関するご相談を承っております。
お悩みの方は、お気軽に一度お問い合わせいただければと存じます。